
猫の出産に立ち会ったとき、生まれてきた子猫がぐったりしていたり、呼吸が弱かったら──飼い主としてできることは何でしょうか?
私自身、逆子で生まれた子猫がすぐに弱々しい呼吸しかできず、助けられなかった経験があります。
だからこそ、**あのとき知っておきたかった「子猫の緊急対応」や「観察すべきポイント」**を、この記事にまとめました。
万が一に備えてできる準備や、子猫の命を救うための応急処置について、実体験に基づいて丁寧に解説します。
🐾 私の経験:逆子で生まれた子猫が亡くなった話
出産時介助をしていたにも関わらず、原因対策がわからずに苦しむわが子を助けてあげられませんでした。
今回の経験を次回に活かすため記録しておきます。
この子は第4子で、母猫は元気ですがちょっと疲れ気味?陣痛兆候が現れたので他の子猫は、保温室に移動していました。
子猫が出かかった時、足が見えたので逆子でした。
🧩 状況から考えられる原因
逆子による分娩遅延と酸素不足(低酸素症)
逆子だと頭が最後に出てくるため、産道での時間が長引きやすく、へその緒が圧迫されたり胎盤からの酸素供給が止まる時間が長くなることがあります。
これにより、低酸素状態となり、呼吸器や脳にダメージが出ることがあります。
1. 低酸素性虚血性脳症
<出産時間は長くなかった>と感じましたが
逆子で頭が最後に出る場合、出てくるまでの間に酸素供給が途絶えていた可能性があります。
<羊膜は破れていて呼吸はしていた>のでしばらく母猫に任せていたが、気が付くと
「最初からぐったりしていた」「しばらくして鳴いたけど呼吸が弱い」
という点から、出生直後に脳や肺が十分に機能していなかった可能性が高いです。
2. 肺がうまく開かなかった(肺の未成熟)
生まれてからすぐに肺がしっかり開いて呼吸ができないと、口呼吸や弱々しい鳴き声になります。
特に未熟児や逆子などの難産で生まれた子猫に多く、羊水や胎便が肺に入ってしまっているケースもあります。
新生子呼吸困難症候群(NRDS)
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子猫は生まれた直後、肺の中の「サーファクタント」という物質がしっかり分泌されないと、肺胞がうまく開かずうまく呼吸ができません。
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特に未熟児や逆子の子猫に多く、「一応呼吸しているが浅くて、口で息をしている」ような状態になります。
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結果として、呼吸不全→全身の酸素不足→死亡につながります。
羊水や胎便が肺に入っていた
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胎内で苦しい状態が続くと、子猫が早くから呼吸運動をしてしまい、羊水や胎便を誤って吸い込むことがあります(胎便吸引症候群)。
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これも肺の機能を妨げ、呼吸が苦しそう・鳴き声が弱い・ぐったりしているなどの症状につながります。
今回の場合、これらの原因が考えられます。次回このような状況になった時の対策はどのような物でしょうか?
3. 先天的な異常
心臓や肺、神経系の先天的な疾患があると、生後すぐに呼吸困難やチアノーゼ(唇や舌の色が青くなる)などの症状を見せ、数時間で亡くなってしまうこともあります。
今回の場合は、この異常は考えられないと思います。
4. 体温低下(低体温症)
生まれたばかりの子猫は自力で体温を保てません。
特に弱っていた場合、体温が下がりすぎると呼吸が浅くなり、体の機能が停止してしまいます。これは意外と多い死因です。
📌今後のためにできること
出産直後のチェックポイント
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羊膜が破れていなければすぐに取り除く
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呼吸していなければ素早く人工呼吸(口元を軽く刺激、もしくは小さく吹き込む)
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ぐったりしていればタオルでマッサージして血流を促進
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体温を保つ:保温を怠ると、呼吸が悪化します
次回出産時に備えて
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出産の様子を記録する(出産間隔、子猫の様子など)
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母猫が逆子を産みやすい体質かも知れないので、獣医に相談
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可能なら出産前後のチェックを獣医に頼むのも安心材料になります